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「なんでそんなに俺に首輪付けたがるんだよ、俺はお前と恋人ごっこがしたいわけじゃねぇっ」
「恋人ごっこかぁ。晶は俺の恋人になりたくない?」
「…、なりたくない」
そっかあ、と淡々と、あまり落ち込んだ様子のない由は一体何を考えてるのだろうか
そもそも、俺たちの関係は何なのだろうか
最初はご主人様とその奴隷というのを予想して、それはなんとか阻止しようと逃げ惑った
しかし、それは杞憂に終わり、今では首輪は付いていないにしろ、パートナーのような、でもパワーバランスは拮抗していない、そんあ曖昧な関係
「俺は、由の奴隷にも、専用のサブにも、恋人にもならない、俺は由がいなくても一人で生きていけるし、自立したい」
はじめてはっきりと、解放してほしいことを伝えた
この暮らしが嫌になったわけではない
ぶっちゃけ、由の隣はまぁまぁ心地よかった
だって衣食住全てが完璧に揃っていて、不自由することはなかったし、由は俺がやだと言えば無理やりどうこうすることもなかった
今までの暮らしと比べれば、ここは天国のようだった
「ごめんね、それは無理かな。こんな危ない世界に晶を首輪なし、いわば素っ裸のまま放り出すなんてできないよ、俺はそこまで鬼畜じゃないよ」
たしかに、由のいうことは尤もだった
俺は中卒でまともに勉強していないし、現に魔の手に囚われた過去がある
「うぅっ…」
何も言い返せない
「もし晶が俺からの愛の証である首輪をつけて、俺の恋人になってくれるんだったら外くらい出してあげてもいいんだけどね、もちろん帰ってくる家は変わらないけど」
「そもそもっ!由はなんで俺をそこまでして囲いたいんだよ!」
「俺が晶を見つけたんだよ」
どういうことだ?
「晶は俺のこと、知らないか」
記憶をたどる
由はすごく美形で、一度見たらこんな人、忘れるはずがない
よって俺は彼を知らないはず
「晶が少しの間務めていた風俗店、あそこは俺が経営しているお店だよ。晶をスカウトさせたのは俺だし、晶の客を選んでいたのも俺だよ」
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