第二章

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それは知らなかった 「まぁ正確にいうと俺は晶のこと最初は写真でしか知らなかったし、スカウトも沢山行っているから全員の男の子を把握できてるわけじゃない。晶のことは情報で知ってた、かわいそうな高校生くらいの男の子、小柄で顔はかわいいくせに生意気で粋のいいのがいるってね」 由はほとんどの時間を家で過ごしている と思う 俺はほとんどこの部屋にいてリビングにも行ったことがないけど、由の存在はいつも側に感じていた たまに電話越しの話し声や、パソコンを打つかちゃかちゃした音も聞こえていた それから察するに、在宅勤務かフリーランサー、家の大きさやお金に困っていないであろう雰囲気から察するに自営業で社長さんだろうかと考えていた まさか俺が務めていたあのゲイ風俗店のオーナーだったとは 「お客さんを選んでたって言ったけど、晶にだけじゃなくて、まずあの風俗店は色々グレーなところがあったんだ。だから客は全員VIP、会員制だったんだ、晶はそういうことあまり考えてなかったと思うんだけど」 たしかに、こ綺麗な客が多かったように思う、NGや出禁を出すほどめちゃくちゃやる奴もいなかったし、結構平和に仕事ができていた。給料も高くて、待遇もよかった 「まぁあの馬鹿が晶を囲って暴行していたのは誤算だったけどね。貴重な若い男の子、しかもほぼ毎日働いてたできる子だったからね、晶は。だからぱったり仕事に来なくなっちゃった晶を、マネージャーがすごく心配してたよ」 「あ、高崎さん」 「そうそう、高崎」 色々繋がってきた気がするぞ 由は俺が働いてた風俗店のオーナーで、俺をスカウトし、客をつけて商売をしていた だがそれもあの男のせいで狂ってしまったと 「まぁ最初は飛んじゃったんだなぁと思って放置してたんだ、そういう子は結構多くいるからね、高崎が心配している横で俺は気にも留めなかったよ」
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