第二章

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気にも留めなかった、由は悪びれもせずさらっと言い放った 冷たい物言いにひやっとする、いつもの物優しげな由のようには思えなかった 「でもそれからちょっと時間が経って、俺の経営してる他のビジネスで問題が出た、詳しくは話せないけど、宮野隆(ミヤノタカシ)っていう男がそれに関与してるのがわかったんだよね」 由に視線を移す 宮野隆 あいつだ、俺を三年間監禁していた一見無害そうで残虐な男 「うん、そうあの彼だよ、晶を囲って酷いことを沢山してた男。彼を処罰することにしたんだけど、いろいろ調べていくうちに晶の存在が露見された。で、なんやかんやあって晶をうちの子にしちゃった」 先程の冷めた態度とは一変して、嬉しそうに話す由に一つ確信する 由は誰でもよかったんだ たまたま仕事の都合で調べていた男が、たまたま少年を飼っていて、そのかわいそうな少年がたまたま知っている子で。時間を持て余して暇しているところに不憫な醜いサブ 今はまだ新しいおもちゃに目をキラキラさせているのかもしれないが、そこに思いがないのならすぐに目移りして次の新しいおもちゃに世代交代 心臓が鈍く痛む でもその理由までは考えてもわからなかった
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