第3章

2/2
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
児童養護施設の前庭の桜が散った頃、長い黒髪に銀縁メガネの若いシスターが、施設に出入りする30歳代の業者の男に乱暴される事件が発生しました。 女子トイレに入るハルナを狙った業者の男に気づいた若いシスターが、身代わりとなって乱暴されたのです。 業者の男はすぐに警察に逮捕されましたが、真相を知ったハルナは心底怒りに震え、長い黒髪をばっさりと切った銀縁メガネの若いシスターを見るたびに涙が(こぼ)れました。 紺碧色(こんぺきいろ)の夜、はるか彼方から届けられた星たちの輝きに満ちた晩、ハルナは銀縁メガネの若いシスターに謝りました。 本当にごめんなさい わたしが(かたき)を取りますから ……… その晩、ハルナは小高い丘の上の児童養護施設から簡単な荷物をまとめ姿を消しました。 ハルナ13歳と5ヶ月でした…
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!