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第6章
朝陽が見慣れた都会の景色を、産声をあげた赤ん坊のような新鮮さで眩く染めます。
色づき始めた東の空の下には、巨大なJR仙台駅の建物が宙に浮かぶ城のようです。
朝陽は、今日も変わりなく枯れ果てようとする老木にさえ容赦なくその眩い光を放ちます。
さらに陽が高くなり通行人の数が増え始めると、そんな老木にさえ否が応でも好奇と蔑み憐みの視線が向けられます。
伸び放題の長い髪、寒さを凌ぐための薄汚れた古い毛布、そして着替えることのない黒ずんだ服…
それでも老人は、今朝も雑踏から聴こえて来るスズメら小鳥たちのさえずりに耳を傾けました。
見慣れたビル群が朝陽に反射して、さまざまな方向へ光が派生し、その光から飛び出した小鳥たちのさえずりを…
おじいさん!
………
突然、老人を呼ぶ声が聞こえて来ました。
逆光する朝陽を背景に、小鳥たちのさえずりに共鳴するかのように、クリーム色の長い髪に碧い瞳のハルナが微笑んでいます。
おじいさん
お待たせいたしました
何日も待たせてしまって本当にごめんなさい
………
ようやく準備ができました
………
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