僕の神社どろぼう大作戦

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「わっ」  なんとか転ばずに踏ん張った。つまずかないように頑張っていたけど、やっぱりこの階段の段差は高い。文香だったら、あの、2歳になったばかりでいつもひょこひょこ動き回ってる妹だったら、一段上るのだって難しそうだ。僕だってもう、ずっと上ってきて脚が重たくなっている。  それでも、もうあとちょっとだ。もう少しで、この階段を登り切れる。そして、そこからが本番なんだ。  近づいてきた鳥居を見上げて、よし、と気合を入れる。  でも、胸のところにずっとある、ぐうんと重い感じは、もっと強くなってきた。それに気づかないふりをして、僕はもう一段階段を上った。   僕の今日の作戦——『神社どろぼう大作戦』は、始まったばっかりなんだ。
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