6人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
だけどこの石の前でも、カタルくんの気持ちは見えないから、私はまだカタルくんはどこかにいると信じてる。
私の半径3メートル以内なら、生者も死者も問わず相手の気持ちが見えるはずだから。
本当に、この世界からいなくなっているとしたら、きっとここに帰ってくるよね?
だけどカタルくんの気持ちは見えてこない。
だから、希望を持ってもいいよね?
あの男が暴力を振るい始めたのも、きっと私にどこか見透かされているようで、恐れての暴力だったとも思うの。
だって、何を考えているかわかってしまうんだもん。
なにもかも予測して動いてしまっていた自覚はある。
一緒に住んでいたら、気味が悪かったんだろうな。
もちろん、私は私で嫌なことはたくさんあったよ。
家の中でも、学校でも。
だけど、カタルくんに出会って、同じような人がいるんだなって事と、裏表のない人がいるってことがわかって、たくさんのことに希望が持てた。
ありがとうカタルくん。
ねえ、また私を笑わせてよ。
カタルくんは、私に直接気持ちを語ることはついになかったけれど、実はずっと届いてたんだよ。
知ってた?
最初のコメントを投稿しよう!