ユキちゃんも語る

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だけどこの石の前でも、カタルくんの気持ちは見えないから、私はまだカタルくんはどこかにいると信じてる。 私の半径3メートル以内なら、生者も死者も問わず相手の気持ちが見えるはずだから。 本当に、この世界からいなくなっているとしたら、きっとここに帰ってくるよね? だけどカタルくんの気持ちは見えてこない。 だから、希望を持ってもいいよね? あの男が暴力を振るい始めたのも、きっと私にどこか見透かされているようで、恐れての暴力だったとも思うの。 だって、何を考えているかわかってしまうんだもん。 なにもかも予測して動いてしまっていた自覚はある。 一緒に住んでいたら、気味が悪かったんだろうな。 もちろん、私は私で嫌なことはたくさんあったよ。 家の中でも、学校でも。 だけど、カタルくんに出会って、同じような人がいるんだなって事と、裏表のない人がいるってことがわかって、たくさんのことに希望が持てた。 ありがとうカタルくん。 ねえ、また私を笑わせてよ。 カタルくんは、私に直接気持ちを語ることはついになかったけれど、実はずっと届いてたんだよ。 知ってた?
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