第1回配信 岩城馬謖さん

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第1回配信 岩城馬謖さん

4月25日夜9時。配信開始の1時間前から落ち着かない。 もっかいトイレ行っといた方がいいんじゃないか。 カンペはあんなクソみたいな箇条書きでホントによかったのかよ! なんでこんなときに鼻炎で鼻つまってんだよクソ野郎! ポットのお湯もう全部飲んじゃったじゃん!ああああ! はい、舞台裏はこんなもんですよ。 お湯を切らしてしまったのは失敗だった。私は緊張しているときに白湯(さゆ)を飲むと落ち着くのですね。 慌てて冷蔵庫を開けると、中に飲み物はビールと三ツ矢サイダーのみ。全部炭酸なんですけど・・・。 私が人生で初めて、冷蔵庫に本気でメンチを切った瞬間である。 もうね、右往左往周章狼狽阿鼻叫喚。勝手にひとりでドツボにはまって、沈むは泥沼アリジゴク。 特に配信開始1分前がひどかった。心臓の動悸が尋常ではなく、部屋中に自分の心臓の音がこだましているのではないかと思った。 開始1分前、「おいおい、ホントにやるのかよ。」という思いが何度か胸中に去来したが、私は懸命にそれを振り払った。 「ホントにやるのかよ。」という心の声に耳を傾けると、より緊張がひどくなると思った。 ホントにやるのかよ。ホントにできるのか。無理、きっと途中で止まる。この負のループに入ったら物事はうまくいかない。 私は無心になった。ただぼんやりとモニターのデジタル表示時計を見ていた。 表示が10:00を指す。マウスを握った手が自動的に配信開始をクリックする。 あとは配信のとおりである。始まったら緊張はしなかった。皆さんがいきなりコメントをくださったのがとても大きい。コメが流れるのを見て、いけると思った。 岩城馬謖さんは素晴らしい作品を書かれるだけでなく、ご本人自体がすでに面白い。ついつい、その異色の趣味や趣向に話が行きがちになるが、しっかりと彼の作品や文章の特徴を紹介したい。全体のバランスを考えた。 岩城馬謖さんの魅力に少しでも迫られたなら幸いである。 岩城馬謖さん https://estar.jp/users/246228138
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