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第14回 濱口屋英明さん vol.21
「番組の冒頭で私の作った小噺をしませんか?」
打ち合わせの中で濱口屋英明さんからそう打診され、やらせていただくことにした。
私は何かを打診されたときに、その内容を吟味したいため即決をすることはまずないが、今回の英明さんのお話は、私にとってまず失敗ということがなく、この経験によって得られるものは大きいと判断し、すぐにやらせていただく旨をお返事した。
オーディオドラマを作られたり、作詞をされていて、その方面の実力は疑いようもない濱口屋英明さんの作られた小噺は、簡潔でオチもわかりやすく、私でも何度か練習すれば視聴者の方にお披露目するくらいにはなるように思われた。
そこで私は落語の映像をいくつか見て真似をすることを考えたが、実際に話している落語家を目の当たりにすると、その芸の磨かれ方は尋常ではなく、とても素人が真似のできる代物ではなかった。
仕方がないので、私は過去の自分の配信を見返して、自身の早口の悪癖に気を付けることと、噛まないことを金科玉条にして配信冒頭の小噺に臨むことに決めた。
数分の小噺を披露することくらいで何を大袈裟な、と思う向きもあるかもわからないが、人前で何かを披露するときに、準備なしで出て行って成功することはまずないというのが、これまでの人生で得た私の感想だ。
結果として8月29日の配信冒頭の小噺では、早口にもならず噛みもしなかったので、無事自身の目標を達成でき、やり切った感覚を得られたのは私にとって非常にプラスになった。改めて英明さんにお礼を申し上げたい。
先に英明さんの小噺を私が配信で披露することに、そもそも失敗がないと書いた。これは、仮に小噺の一番大事なオチで噛んでしまったとしても、それは失敗ではないということだ。なぜなら「やっべー、噛んじゃったよ! テヘペロ」で済む話だからだ。そんなものは失敗ではない。肝心なところで噛んだ、ということを笑ってもらえればいい。それよりも挑戦して得られる経験の大きさを考えた。
さて、濱口屋英明さんは、その小説の中で親しい者同士のやり取りに垣間見える滑稽さや、当人たちは到って真面目なのにも関わらず第三者から見るとやたらと間抜けであるということを、その独特な文章によって映像として見せてくれる稀有な作家であると言えよう。
濱口屋英明さんのYouTubeの動画『なんもりドラドラ』も合わせて、ぜひご贔屓にお願いします。
濱口屋英明さん
https://estar.jp/users/142331121
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