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第2回配信 羽鳥湊さん
4/25の第一回配信を終えた後の数日間、私は腑抜けになって干からびていた。
血沸き肉躍る30分間。
そして緊張からの解放。
私の頬は緩み切り、戦う人間の顔とは真反対のだらしなさを呈していた。
全ては第一回配信でそこそこ上手くできたという事実が「オレ、正直イケてたっしょ?」という小物臭ハンパない満足感を私に与え、気のたるんだ抜け作にさせていたのだ。
毎日羽鳥湊さんの作品を読んではいたが、それはただ読みたいから読んでいるのであって、これではあまりにも緊張感がない。
4/30の木曜日になり、さすがにこのままではまずいと思い、前回の反省からカンペをきちんと作ることにした。
第一回配信ではカンペは手書きの箇条書きだった。今回はパソコンのメモに羽鳥さんとの打ち合わせをコピーして、話の順番と内容もきちんと書いて印刷した。
出来上がったカンペを見たときの安心感といったらなかった。
私は布団に寝っ転がり「ククク、これはしくじりようがねえ。」とひとりごち、あまりにも気持ちの良い惰眠をむさぼった。
今、このときのことを振り返ると、自分がカメと競争したウサギにしか見えない。
翌日の金曜日、私は土曜日の配信本番を想定して、通し練習をすることにした。YOUTUBEの設定を非公開にして、あとは本番さながらの態勢である。
しかし、始めてからものの数分で違和感に気づいた。明らかにダメなのだ。
つまり全然面白くない!何やら業務的で白けた配信になってしまっている。
10分程度しか経っていなかったが、私は即座に練習配信を停止した。そして、ここにきてようやく焦った。本番は明日だ。
私は己の怠惰にキレかかっていた。自分にキレても今までの経験上事はあまりうまく運ばないことを知っている私は、とりあえずパソコンのモニターの横にサイバイマンのフィギュアを置いた。
「おい、何やってんだこの野郎。本番明日ってわかってんのか!何でハナから思いっきりやらねえんだゲテモンが!」
私はサイバイマンに、世間で言うところのパワハラモラハラの限りを尽くした。
人様にはとても言えないような罵詈雑言の限りをサイバイマンに浴びせた私は落ち着きをとり戻し、ついでに頭の回転も取り戻した。
どうもカンペがいけない。全部書いてあるから、ただ読んでいるだけになっちまっている。だから話が生きてないのだ。
そう感じた私はカンペを書き直した。元の箇条書きに戻したのである。
5/2土曜日、配信本番当日。日中にもう一回通し練習をやった。このときは悪くない出来だと思った。
どうもそのときどきの流れを見ながら、ある程度自由に話していた方が話に躍動感があることに気づいた。そして、よし、この感じでいこうと思うことができた。
あとは配信のとおりである。細かいことは決めてなかったので、後半は熱くなりすぎて、話がちゃんとまとまっていたのかという反省はある。しかし、羽鳥湊さんの作品は最高だよ!ということをなんとか伝えたい熱さは出ていたのかなという気はする。
羽鳥湊さん
https://estar.jp/users/243640765
※すいません、サイバイマンのところはフィクションです。
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