第3回配信 藍田瑞季さん

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第3回配信 藍田瑞季さん

車の運転でも何でも慣れてきた頃が危険であると、私は思っている。 『エブリスタ☆おすすめ作家紹介』の配信も第三回を数えて、ほとんど緊張もしなくなった。 しかし私は「これは危ないな。」と第三回配信の何日も前から感じていた。 往々にして緊張感がなくなるとミスが出やすい。 だから私は気を付けていた。この『エブリスタ☆おすすめ作家紹介』は生配信をした後にアーカイブとして残している。よって後々視聴されても恥ずかしくないだけの水準を保っていなければならない。できることならスタジオ録音のように完璧でなければならない。 それなのにやらかしてしまった。 配信画面右下のメモ欄に記す情報で、藍田瑞季さんの名前を間違えて記入してしまったのだ。具体的には「季」を「樹」と記してしまった。 ありがたいことに、間違いを即座に指摘してくださった視聴者の方がいたので、誤表記されていた時間自体はかなり短い。しかしそれでも紹介させていただく方にこんな失礼なことはない。 藍田さんに申し訳なくて配信終了後はへこんだ。 昨日は「配信ご視聴ありがとうございました。」のツイッター及びエブリスタでの挨拶代わりのつぶやきがいつもより遅かったはずである。 要するに、配信終了後30分ほど、私はパソコン画面の前で固まっていたのだ。 頭の中は当然「ちきしょー。」の嵐である。 本当に情けないことに、私は名前を間違えられた藍田さんを思うと半泣きになった。漫画やアニメで、目の形がアメーバのようになるあれである。 もちろん我に返って、いの一番にしたことは藍田さんに謝罪DMだ。しかし同時にこれは引きずったらダメだとも思った。 医学的にどうかは専門でないから知らないが、悲しいときや悔しいときは、その感情を隠さない方がいいと思っている。抱え込んでは心身ともによくないのではないか。 だから私は仲の良い(と勝手に私が思っている)エブリスタの書き手さん何人かに「悲しいよー!」「やっちまったよー!」「ちきしょー!」と迷惑メールのように負の感情をぶちまけた。 そうすると皆さん本当にやさしくて、返信はホッカイロのように温かいわけである。私に怨嗟の声のようなメールをぶちまけられた方々は、さぞ迷惑だったと思う。この場を借りてお礼を言いたい。あのー、ホントに助かりました、ありがとうございます。 藍田さんも全然気にしていませんよー、と言ってくださった。なんと心の広い方だろうか。 そういった皆さんのおかげで、寝て起きたら失敗のことは気にならなくなっていた。今の私はもう元通りの私である。 失敗は人間である限り誰にでもある。ここから先は冷静に失敗の原因を分析して次に活かすことが大切だ。 次ページへ続く
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