魔王だって涙を流す

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 二、三日は平和だった。  俺は相変わらず部屋の掃除や魔王ガルデリカの後始末やガルを追いかけ回して風呂場に押し込む日々を繰り返していた。  そんな事の合間に、多分そろそろ来るだろう『勇者御一行様』のためにもてなしの用意もしていた。  セイロは思った以上によく働くし、そこいらの魔族なんか足元にも及ばないくらいよく気が付く。  俺の変わりは出来ないとみんなは言うけど、仕事は早いし丁寧だし、別に俺が居なくてもセイロが居れば城は回るんじゃないかとも思っている。  俺が来る前のここはディブィが取り仕切っていて、ディブィの指示のもと掃除や洗濯や食事の用意をそれぞれの役割を持った下級魔族が担っていた。  ロティが来てディブィが役割を疎かにするようになって、その役割が俺に回ってきた。  俺自身はガルの傍にいたけれど、部屋数の多い城は下級魔族の住処でもあって、俺がここに来た時に言った「自分で使った物は自分で片付ける」という言葉が今浸透していて、今では食堂や廊下の掃除や洗濯は率先してやってくれる。  俺がやったのは割り振りだけだった。  一番気を使ったのは食事で「どうせ食うなら美味いものがいい」ってんで自身のある奴に一通り作らせて、俺の好みの味付けの魔族を担当にした。だから飯は美味い。
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