episode1

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最初こそ、牛がいうことを聞かず暴れたり、体が小さいが為に引っ張られてこけることもあり、と奮闘していたテンだったが、2日もすればあっという間に牛と仲良くなっていた。 それを見たコージーはまた腰を抜かしそうになる。 テンの人の好さは動物にもしっかりと伝わるらしい。 ただ、ここであの問題が発生する。 「コージーおじさま、今日もあとは乳搾りだけよ」 「もう作業がそんなにも進んでしまったのかい。ありがとうテン」 「とんでもないわ。私、毎日こうして牛と居るのが好きよ」 よーし、と両腕の袖を腕まくりして、牛たちのもとへ向かうテン。 さて、今日はどのくらいできるだろうか。 コージーは温かい目でテンの背中を見ていた。 テンには小さな問題がある。 それはテン自身は恐らく気づいていない。 だから誰もそれを口にしない。 その問題があるから、何か大変なことが起きるなんてことはないからだ。 このまま平和に、笑顔のまま、大きく成長してほしい。 もしかすると、その成長の過程でその問題は解決するかもしれないのだから。 テンは、すごく“カ弱い女の子”なのだ。 「もう、牛さん、いつもいつも私の髪の毛を食べないでっ」 「ンモッ」
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