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テンのどこがカ弱いのか。
初めてテンと会う人たちは、見た目も元気も有り余っている、無邪気な女の子だと思う。
最初は皆そうだった。
ところがある時急にそれに気づき、一層愛おしくなるのだ。
『そうか、この子はカ弱い女の子なのだ』と。
「テン、今日はもう帰りなさい」
「コージーおじさま。でも、今日はまだこれだけなの」
「ああ、大丈夫さ。今日はそれを持ってお帰り。お母さんとお父さんと一緒に飲みなさい」
「いいの?」
「いいとも。テンが毎日頑張っていることを教えてあげるのも大事なことだろう」
「ありがとう、コージーおじさま!」
自分で絞ったミルクを小さい瓶に入れ替え、家に戻る。
パタパタと小走りで家に戻れば、家の奥からおいしそうな夕食のにおいが漂ってきた。
テンのお腹の底をくすぐる、おいしそうなカレーのにおいだった。
今日はなんて素敵な日なんだと、テンの気持ちは最高潮に達した。
「お母さま、ただいま!」
「おかえりなさい、テン」
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