京都逍遥

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平成26年 京都逍遥  京都を遠く離れ、北陸の片隅に隠棲のごとき世過ぎをする今の身の上に、郷関の風情がそこはかとなく旦夕に胸襟を漂っている。京都に生まれ、三十数年をこの地に暮らしたが、名所旧跡を訪ねたことも少なく、今更ながら悔いの残るこの頃である。こんな折、同窓生から褒賞受賞記念パーティーを開く案内状を貰い、多少の躊躇いもあったが同窓生との邂逅と西国観音霊場の参詣、更には趣味としている小説の取材を兼ねて京都を訪うことにした。
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