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Emergency call
午後の陽射しが、締め切っていない窓のカーテンの隙間から射し込む。
陽射しの僅かな温かみに刺激され、眠りが浅くなったその時、スマホの着信音が響いた。
重い瞼を開いてディスプレイを見ると……。
「社長からか……」昨日、部屋に戻ってからそのままベッドに潜り込んだので、乱れ髪に下着という格好で電話を取る。
「はい、神埼です…………」髪を掻き上げながら相手の言葉を待った。
「神埼君、急で悪いが仕事だ……」
「私、今日まではオフのはずですが?」
「緊急だ。今日はオフだが、前回の任務明けから三日は経っているだろう?」
「そうですけど……他のメンバーはいないんですか?」
社長は答えず、「詳しくは直接話す。出社してくれ」
私は、電話を切って大きな溜息を一つ吐くとスーツに着替えて会社へ向かった。
正確に一時間後、私は会社に到着した。
着くとすぐ社長室に行き、部屋の前にあるインターホンを押した。
「社長室付、神埼参りました」
「入ってくれ」返事と同時にドアのロックが解かれ中へ進むと、社長は立ち上がって迎えてくれた。
「休みのところ悪かったな。詳しくはあちらで話そう」そう言って、デスクの引き出しの中のキーボードに打ち込むと左手の壁が動き入り口が現れた。
隣の部屋は窓もなく、意図的に落とされた照明のせいで薄暗い。
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