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その 1 ,
明るい蛍光灯の下で、男と女の身体がうねる。白い若い女の肌が汗に濡れて、光っていた。
(まるで、別の生き物みたい・・だ!)
そう考えながら、信孝(のぶたか)は開けたドアを閉める。そっと、音を立てないように。こんなところが、ドンクサイと言われるところか。あれは、お前の恋人だろ。怒鳴り込めよ、怒れよ。
(楽しんでるんだ、悪いだろ。)
あんな顔、見た事なかった。彼女って、あんな顔するんだ。驚いた。僕じゃ、与えてあげれ無かったんだ。きっと。そっちの方が、胸に刺さる。それだけさ。
頭の中が、混乱してる。
嫉妬もしないなんて、好きじゃ無かったのかな。
好きでもない女の子と付き合ってた方が、怖いよ。
飲めない酒を飲んで、酔って安アパートに帰って万年布団に寝転ぶ。面倒くさい、誰かと付き合うなんて。自分の部屋に男を連れ込むよな子に、見えなかった。傷ついたのは、恋心?それとも、プライド?
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