その 2 ,

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その 2 ,

何時もの時間に目が覚めて、直ぐに携帯に手を伸ばす。そして、手を止めた。 「そうだ。仕事、無くなったんだ。」 長期契約して働いてた派遣の仕事。このご時世で、呆気なく解約。派遣会社も、仕事が次々に無くなって頭を抱えてる。これから、どうなるのかも分からない。 「やっぱ、本雇いになった方がいいかな。」 こんな時、派遣なんて何の保証も無い。年齢も、19歳。そろそろ、落ち着かないと。派遣会社からの仕事の発注が無いのを確認する。そして、彼女からのメールに気がつく。 『冷たい、アコにメールもくれない。怒るよ!』 前は可愛いいと思えたのに、今は複雑な気分になる。でも、返信はする。 『ごめんごめん、悪かった。仕事さがしてて、忙しかったんだ。電話するよ。』 だいたいが、長いメールをしない。これでも、疑問も湧かないだろう。さて、どう出て来るのかな。頭が、冷めている。何も感じない。誰かからのメールに、気がついた。誰? 『約束、忘れないで。仕事が済んだら、メールしてね。』 知らないメルアド。「仕事」だって?何の? 「あ、あれか!」 着替えもしなかった服のポケットを探り、メモを取り出す。くしゃくしゃの紙に、メルアドと時間が書かれていた。昨日の夜の記憶が、戻ってきた。昨日、飲んでた居酒屋の女の子だ。 『あんた、派遣の仕事が無くなったんだ。バイトしない?』 自分が頼まれた仕事だけど、都合が悪くなって行けないから代わりに行ってくれという話だった。誰が行っても、分からないからと。
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