その 3 ,

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その 3 ,

暇つぶしが、必要だった。気分が晴れないから。やった事の無いって、面白いかもしれない。酒場で頼まれたのって、ヤバいかもしれないけど。 『代金は、帰りに手渡しよ。』 それが、1番かも。仕事が無くなって金が無い。直ぐに手に入るのなら、やってみよう。簡単な仕事らしいし。 『弁当を持ってくだけ、簡単でしょ?』 なら、何でやりたくないんだ。そう、言ったかな。飲んでたから、記憶がハッキリしないけど。 『私の男の奥さんが、出かけたのよ。泊まりで。2人で一晩なんて、無いから。』 成る程、そういう事か。身代わりなんてバレルと言うと、大丈夫だと話す。年寄りのお婆さんが管理人で、目が悪いからと。そんなに、上手くいくものだろうか。そっちに、興味が沸いた。 『かめの こうら駅』 私鉄の駅で、乗車券を買う。自動販売機の前で、気がついた。そんな駅の名前、聞いた事が無い。メモを取り出して確認。間違いない、「かめの こうら」だ。あの女、間違ってるだろう。ほら、無いって。そんな駅。 「あ、あったー。へえー。」 仮名がふってあるけど、「亀の甲羅」だ。500円て、高っ!だけど、500円玉を入れた。切符が、出た。だけど、500円玉も戻ってきた。何だ、これ?ま、いいか。
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