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アラームが鳴った。
――やばい!
朱里は、咄嗟に身を起こしてベッドを飛び降りてアラームを止める。
「…すみません、まだイッてないですよね?」
「大丈夫だよ。もう時間だよね」
「あと15分です」
「じゃ、シャワー浴びてくるね」
私は慌てて、お客さんのバスタオルを探し、手渡す。
「ああ、ありがとう」
ウトウトしてしまった自分を反省しながら、ふと机を見ると、焦げ茶色の革財布が、変わらず放置されている。
お金を盗ろうとは、もう、思わなかった。
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