輝け! 謝罪戦士ゴメンナー

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 ある昼下がりの中華料理店。 「一三五〇円になります」  そのアルバイトの女性店員はいつもしているように笑顔でレジを打ち、『超もやし盛り盛りネギましましチャーシューマウンテン国士無双ラーメン』の料金を告げた。落ち度はなかったはずだ。  値段を告げられた客は当然とるべきリアクションとして、告げられた値段を現金なりカードなりで支払う。  ところが、客は女性店員の予期していた行動は起こさず、ぼそりと一言。 「金がないんや」 「え?」 「お金がない、って言ってんのや。ねーちゃん」  女性店員は予想外の返事に二の句が継げず、客の姿をまじまじと見るしかなかった。  客は、四十代ぐらいの中年の男だった。身なりは、金持ちそうでも貧乏そうでもない。しかし、一三五〇円ぐらいはサイフに入っていそうである。なのに、払えない、と言う。  こういう場合の接客マニュアルなんてあったっけ? と女性店員は思いだそうとするも、なにも浮かばない。  一方、客の男はじれったそうに地団駄を踏むばかりで、謝る気配すらなかった。
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