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レッド
「動くな。手を挙げろ」
レッドは笑いが止まらなかった。
この後には、あの2人を殺して、大金を手にピンクと2人きりでヨーロッパだぜ。
銀行内を見渡す。
ブルーは支店長を銃で脅しながら奥にある金庫に向かっている。
イエローも客を一か所に集めて携帯電話を集めているところだ。
計画通りに進んでいる。
カウンターによじ登り、銀行員を監視しながら、ピンクに初めて会った時の事を思い出した。
「ねぇ、あなた。アタシと銀行強盗やってみない?」
街を歩いていたら、物凄い美人に声をかけられた。
「お、俺で良ければ!」
即答。こんな美人の誘い、断る理由が見つからねぇ。
「仲間は集めてあるから、今度アジトに来て」
呼ばれて行ったアジトにはブルーとイエローがいた。
この銀行強盗の計画は入念に練ってきた。
頭のいいブルーが仲間にいたのは心強い。
ピンクの人選が良かったんだろうな。
奴に段取りを任せておけば、間違いない。
ただ、あいつは自分の頭が良いことを鼻にかけているところがある。
俺に殺されるとも知らずにバカな奴だ。
イエローは頼りないけど、俺とブルーだけだと何かとぶつかり、上手くいかなかったはずだ。
あいつが間に入って、上手く調整してくれている。
ただ、後で俺に殺されるんだけどな。
ブルーとイエローの事はほとんど知らない。
お互いの事はニックネームで呼んでいるから本名も知らない。
どこに住んでいるのか、家族構成も、出身がどこなのかも知らない。
だから、誰かが捕まったとしても、仲間の事をバラすこともできない。
まあ、あの2人はもうすぐ俺に殺されるから関係ないけどな。
さあ、もう少しだ。
待っていろ、ピンク。俺と一緒に逃げよう。
ブルーが金を入れたバッグを持って、金庫から戻ってきた。
バッグを受け取りざま、ブルーの眉間に弾丸を打ち込む。
突然の銃声に、銀行内からは悲鳴が上がるが気にしない。
「うるせぇ、だまれ!てめえらも撃ち殺すぞ!」
と叫んでやったら、途端に静かになった。
簡単なもんだ。
あっけなく倒れたブルーは頭から血を噴き出している。
1人クリア。
イエローを見ると、直立不動で、ボーっとしている。
「ブルーは警察の犬だ。俺たちは嵌められた」
と説明し、イエローに一旦バッグを渡す。
「入り口側には警察が待ち構えている。裏口から逃げるぞ」
先に裏口を出て辺りを見渡し、人がいないことを確認して、銃を構える。
そして、裏口から出てきたばかりのイエローの頭を撃ち抜く。
2人クリア。
「2人で逃げよぉ」
俺だけに、こっそり囁いたピンクの笑顔が思い浮かぶ。
イエローが持っていたバッグを奪って、ピンクの待っている車へと急ぐ。
ピンクのページへ。
https://estar.jp/novels/25634502/viewer?page=7
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