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八、さくら係、終末?
大型連休明けの学校は辛い。
しかし、行かないという選択肢はあって無いようなもんだから、仕方なく家を出た。
校門を通り、校舎に入ると、サクラが寄って来た。
『ねぇ~。どうだった? 出会ったんでしょ?』
無言で、校舎裏へ歩を進める。
サクラは風に漂い、僕の顔を見上げている。
剣くんと出会った帰りに、気づいたこと。それを、今日、サクラに伝えなければと思っていた。
「剣くんと友達に戻ったから、もう信託は終わりだよな?」
サクラはきょとんとした顔で、僕の顔をまじまじと見つめた。
『朔~! 何を言ってるの? 任期は1年って言ったでしょ? 一人友達ができたくらいで終わりじゃないよ』
マジかー。
やっと解放されると思ってたのに。
ガックリと項垂れて見せるが、心の中では少しほっとしていた。
何だかんだ言いつつも、サクラのいる日常に馴染んできていたから。
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