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十三、そして、未来へ。
『朔! 進級おめでとう! 無事、三年生になれたんだね』
……?
目の前には、十手を握りしめ、ふわりと風に漂う、サクラの姿。
サクラがまだ、見えるなんて……
「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁーー!」
なぜ、まだ見えるんだ? え? 任期は一年だよな?
困惑を隠せない僕を見て、サクラはふふふと悪魔の微笑みを浮かべた。
「てへっ! 今年は、良いカモが見つからなかったんだよね。だからね朔、今年も、ヨ・ロ・シ・ク・ねっ♪」
「えぇ? かも? 鴨? カモ? カモ?? ……僕は、カモじゃなぁぁぁぁーーーーい!」
そんな僕を見て、サクラは、嬉しそうに、その場でくるりとターンしたのであった。
<終>
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