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到着しても、やっぱり雨が降っていた。だからか、駐車場は余裕がある。
「降りる?」
訊かれたから私は頷いた。それほど強い降りでないから大丈夫。
「うん、降りる。このくらいなら、逆に綺麗に見えそう」
傘を持って車から降りた。今日は透明な傘を持っている。広げても視界が邪魔されない。軽い反動と音がして傘が開いた。
雨の日は、空気が澄んでいる気がする。大気に浮かんでいたほこりが、雨で綺麗に洗われたように感じる。湿気を帯びた木々は、枝先にまで水滴を輝かせていた。
グレーの空なのに、光って見えるのが不思議。
「綺麗だね」
私と同じように見上げる彼が静かに返してきた。
「うん、そうだね」
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