コラムもどき 木を切り倒す時は

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コラムもどき 木を切り倒す時は

 冷怪奇譚② 伝承の地蔵 を拝読頂きまして、ありがとうございました。  書きながら、思い出したことがありましたのでご紹介を。  話の途中に、  ” 木を切る時には塩や酒で場を清め、祝詞(のりと)を上げて切り倒す許可を(もら)わなくてはならない ” という話が出てきましたが、自宅の庭に生えている木も同じなのだとか。  特に、食べ物となる実をつける木は、いきなり切り倒すのではなく、お神酒を捧げるなどして、今まで恵みを与えてくれた感謝を伝えてから、数年かけて枝を切り詰め弱らせて、切り倒すのがセオリーなのだそう。  そう考えると、山神様の木を何もせずに切り倒してしまった伝承の母親は、ちょっと浅はかだったとも言えます。  日本は八百万(やおよろず)の神様がおわす国。  現代ではあまり重要視されなくなってきたとはいえ、身近には荒神(こうじん)様などの恐い神様もみえますから、祟られると厄介です。  昔からの言い伝えがあるものに関しては、迷信でしょなんて全否定せず、一度立ち止まって確認をした方が安全かもしれません。 完
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