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「お姉ちゃんに聞いたんだけどさ」
好奇心旺盛な年頃の子供はロクな事をしない。
七不思議を聞いて来ては、それを肝試し感覚で検証したがる。
そんな嬉しくない遊びが流行っていた。
「首切り地蔵。あの黄色いのじゃないらしいよ」
その言葉に、クラスメイトの少女達は目を輝かせた。
楽しいものを見つけたと言わんばかりの顔をしている。
よりにもよって、首切り地蔵。
ああいうモノは、遊び半分にオモチャにしてはならないのに。
私は嫌だなぁと思いながら、その話に耳を傾ける。
「え~? じゃあどれが本物?」
「何か、あっちの山の中にあるって」
指さした先は、人差し指の第二関節方面だ。
燃えないゴミを捨てに行く、広場があるところ。
「昼休み、行ってみない?」
「じゃあ掃除が終わったら、靴はいて燃えないゴミの所に集合ね」
―― 冗談じゃない。行きたくない。
そうは思ったが、やっぱり言い出せぬ私は、首からお守りを下げて渋々集合場所へと向かうのだった。
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