魔王だって幸せになりたい

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「魔王の威厳が・・・」  ディブィが頭を抱えて悩んでいるのは、下級魔族と一緒にいる時間が増えて、そのせいで『魔王』との距離が近くなってしまったために起きた弊害のこと。  下級魔族が、魔王ガルデリカの穏やかさやあまりの距離の近さに魔王への敬意とか畏怖とかが薄くなってきてるんだとか。  そりゃそうだと思うのは俺だけじゃないと思う。  俺だってここに何年もいてそれなりに仕事だってある。それはガルの世話ばかりじゃ申し訳ないとか最近はちゃんと片付けたりするからヒマが増えたとかそんなのが理由だったりするんだけど。  ガルが探すんだ。風呂に入ってて呼んでも来ないとか朝起きて隣にいなかったとか言って。寝癖が凄かったり真っ裸だったり、ほら、ガルにとっては急を要する事だから。  でもってそんなガルを見て『特級』が腹抱えて笑うもんだから、下級魔族が「あれ?魔王弱くね?」ってなるんだって。  そういう奴らにはガルが一発ぶちかましてやればいい、と思うのは俺が魔族になったからか?  まぁ身の程知らずな連中はその内天罰が下ると思うけどな。  俺の最近の悩みといえば、体のメンテナンスとか言いつつガルとの触れ合いが増えた事。別にいかがわしい事をしてる訳じゃないし、やってもらってんだから文句なんて言っちゃダメなんだろうけど、ガルの手が何となく・・・なんだろう、困る。
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