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微笑と、高調。
翌朝、同じ視線で交わす言葉。
「紫音ちゃん、おはよう」
「おはよ」
微笑んでいるつもりが、昨日の心配の尾を引いているような顔の絵李。
リミッターが壊れかけている今は目を合わせるだけで理性が崩壊しそうだ。
(そんなの、言葉にしたら全部)
疼く自身から目を逸らす。
いつも通りに授業を受け、
いつも通り君の笑みで高調す。
刹那のように迎えた放課後。
「紫音ちゃん、一緒にパフェ食べに行かない?」
そんな誘い、今まで無かったよね。
心遣いが明白すぎるよ。
きっと「貴方の所為だよ」という一言に執着しているのだろう。
(私のモノにしたくて、)
「うん、行きたいな」
望んでいるであろう返事をすると、
予想通り安堵したように微笑む、
あまりにも綺麗すぎる君。
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