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「んっ‥?‥ユノ?帰ったの?」
「ああ。…待っててくれたんだな?」
「‥だって、鍵…持ってないし…」
「ハハハ‥鍵なんて閉めなくてもオートロックだから、大丈夫だったのに…」
「‥え?そうだったのか‥?」
「ああ。でも、ありがと‥待っててくれて」
「別に待っててやった訳じゃ… ってか、何で俺‥脱がされてんの?」
「見てわかんない?愛し合う為だよ‥」
「バカユノ!!」
俺は、ユノを突き飛ばし服を着て家を出た
なんか、一気に酔いが覚めた…
せっかくの休みがパーだ…
帰り際ふと、スマホを見るとチャンミンから何度も着信やメールが送られてきていた
でも、何となく返信しにくくて、そのまま無視した
「はぁ…」
俺‥何やってんだろ‥
もうすぐ三十路だと言うのに、このザマは…
落ち着くどころか、男と…
「はぁ…」
何度となく重々しい溜め息が零れた
電車を乗り継ぎ帰宅すると、家の前で待っていたのは…
「チャン‥ミン‥?」
「ヒョン!!」
「何で、此処に?」
「だって‥昨日からずっと連絡つかないし‥」
「ああ…悪ぃ…昨日終電逃してね‥」
「で…今までどこに?」
「え?!あ‥ うん、その‥友達の所にね‥」
「ふぅ~ん?さては、女ですか?」
「へ?!‥んなワケないだろ?」
「…どうだか。ヒョン‥なんか今日は、一段とエロいですよ‥?」
「エ‥ エロい?!ヒョンに向かって、そんな‥」
「だって、ヒョン‥」
ふわりと抱きしめられ、耳元で”エッチな匂いがする”って
思わず距離を取りチャンミンを睨んだ
「ブハっ!!ヒョン‥わかりやすっ!!」
「…………」
「…嘘ですよ。」
「え…?」
「ただ‥」
「ただ?!」
「今日は何だか、いつもより艶っぽいですね? ‥恋でもしてたりして?」
「恋…?するわけないじゃん!あんな奴…」
「あんな奴?…やっぱり、女と一緒だったんですね‥」
「ー?!」
「‥で?誰と一緒だったんですか?お?」
「‥なんで、いちいちお前に言わなきゃいけないんだよ?」
チャンミンに見透かされたような気がして、つい声を荒げた
「別に、ヒョンが言いたくないなら別にいいです‥ただ、残業してたし‥連絡取れなかったから、心配で‥ 無事ならいいんです。…じゃあ、また明日…」
少しシュンとした顔でそう言うと、チャンミンは俺に背を向け帰って行った
「チャンミン…」
彼奴は悪くないのに…
ただ‥ ユノとの事、何となく知られたくなかった
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