〜チャンミンの想い〜

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「「…………………」」 何とも言えない気まずい雰囲気に飲み込まれ、暫く重々しい沈黙が流れ、ただただアルコールのピッチだけが早くなった 「…そろそろ帰りましょうか?」 その沈黙を破ったのはチャンミンだった 「ここは僕が奢ります‥」 「え?あ、うん‥サンキュー」 何となく気まずくて、目も合わせられなかった 「‥送って行きます」 「あ、いいよ俺‥一人で帰れるし‥」 何かに躓いて倒れそうになる俺の手を引き、チャンミンの胸の中に収められた 服の上からでも分かる筋肉の盛り上がりに、意外と逞しいんだな‥なんて思った…… 「………………僕じゃ…ダメですか?」そして、突然の告白ー 「‥‥は?」 「僕じゃ、ヒョンの恋人にはなれませんか?」 「お前…何言って… っん!!」 胸を押し離れようとしたら、簡単に腕の中に収められキスされた 「んー‥っ!!」 チャンミンを押しのけ唇を拳で拭った 「ふざけんな‥」 そう言うのが精一杯で、目も合わせずその場を走り去った 何だかまっすぐ帰りたくなくて、街中をブラついてた さすがにこの時間だと人通りもまばらだ 「チャンミン‥」 弟の居ない俺は弟のように可愛がってた 勿論、それ以上の感情なんてない 好意を持ってくれるのは嬉しいけど、恋愛対象としては別だ 俺は男だし、恋愛対象は女だけ‥ なのに‥ なんで今、ユノの顔が浮かんだ? べ‥別に会いたいワケじゃないし、あんな奴好きでもない なのに、なんで? なんか‥あの日、素面で抱き合ってから、身体の奥が疼くような感覚に囚われる時がある 別にそれは‥彼奴を好きだからじゃない… 初めての快感に身体が酔いしれただけ 一過程に過ぎない ただ、そう思ってた そんな俺の目に飛び込んできたのは、見知らぬ男と腕を組み歩くユノの姿だった 誰‥? 探る訳じゃないけど、何となくついて行った すると二人で入っていったのは… 「ホテル?!」 思わず声に出てしまい、慌てて口を塞いで街路樹の茂みに隠れた ユノが入って行ったのは、最近オープンしたと言う高級ホテルだった ユノの奴…俺の事、好きだって言ってたじゃないか‥ あれは、ウソだったのか‥? 「……………」 別に俺には関係ないか、あんな奴 「帰るか…」 いい飲み友達をなくしたからか‥? 俺は、何ともいえないイライラ感が募った
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