生きる為には

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生きる為には

 俺がしていた仕事は債権回収。つまり『取り立て』だった。  法に触れるようなことも多少は犯したこともあった。けれどそこに後ろめたさなんかなく、むしろ自分の性格には合っていたのだと今でも思う。    会社の利益、そして自分自身の利益だけをとことん追求して搾取していく日々。他人のことなんてどうだっていい。ただ奪って奪って奪い続けるだけ。例えそれが1円でも、与える余裕があるのなら少しでも自分の懐へ。それが俺の信念だった。    そんな徹底した利己主義な俺の考え方は、勤めていた会社の風土とも合っていたようで、まるで自分の正しさを証明するかのように出世の道を走っていた。    だが、どれだけ自分が優秀で成果を出していたとしても、他の人間と関わる以上トラブルはつきもの。  バカな部下が会社の金を横領していたことにも気づかなかった俺は、その責任追求として会社から追い出されてしまったばかりか、多額の賠償金まで背負わされる羽目になってしまったのだ。
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