しあわせの花言葉

5/8
前へ
/8ページ
次へ
「まさかな、と思いましたね。 弟の奇妙な遺言と彼女の突然の死。 やはり、彼岸花に何かあるんじゃないかって」 「二人は死ぬことによって再開した、と?」 「そのようにも考えました。 あの……『桜木 美穂』という名前に覚えはありませんか?」 「! どうしてそれを……」 明らかに動揺する。 だってそれは自分の目の前にいる人の名前だから。 「── 弟の彼女です」 「……え?」 言葉を失う。 「何も知らないとはいえ、葬式の日に彼女の方から挨拶に来ました。 名前だけはハッキリと覚えています」 女性は僕を真っ直ぐ見据える。 「……貴方の元カノのようですね」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加