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「まさかな、と思いましたね。 弟の奇妙な遺言と彼女の突然の死。 やはり、彼岸花に何かあるんじゃないかって」
「二人は死ぬことによって再開した、と?」
「そのようにも考えました。 あの……『桜木 美穂』という名前に覚えはありませんか?」
「! どうしてそれを……」
明らかに動揺する。
だってそれは自分の目の前にいる人の名前だから。
「── 弟の彼女です」
「……え?」
言葉を失う。
「何も知らないとはいえ、葬式の日に彼女の方から挨拶に来ました。 名前だけはハッキリと覚えています」
女性は僕を真っ直ぐ見据える。
「……貴方の元カノのようですね」
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