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 まぁ、彼の気持ちもわからないでもないのだ。モテない者同士、酒を酌み交わしタイプのアイドルを当てっこした程の仲だ。  その親友があろうことか犯罪に手を染めて、あまつさえ親友と自負する自分が逮捕する立場になってしまったのだから、その(くや)しさといったら時給八百二十円のコンビニ店員である俺であっても十分すぎるほどによくわかるのである。  気持ちはわかる、がしかし、俺は無実である。例え瞬間的であったにしても、リア充なのである。この花柄ブラジャーも、可愛いリボン付きパンティも俺が金を払ってランドリーに持ち込んだ物なのだ。なぜ俺を信じない!   必死に言い訳する俺に奴は、哀れみの目を向けて言った。 「信じるよ」  いや待て、なんだその目は? 今何か、違う方向に誤解しやしなかったか?
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