テオ

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冬が近づいた ある日のこと テオは猫用のバッグに入れられ 大きらいな病院に 連れて行かれました。 体を揺らして 咳をしたテオを フユが心配したのです 「大丈夫。大丈夫だからな」 フユは テオの胸を撫でます。 まっしろで ふわふわな胸のところは 長いしっぽの次に 自慢なところ。 フユが キレイだと ほめてくれたから。 「今日も 薬、がんばろうな」 首をあげて、頑張って おくすりを飲み込むと フユが おでこにキスをしました。 いつの間にか、窓の外には 雪が ひらひらと降っていました。 テオ と、いつもの声で フユが呼びます。 撫でる手と同じように 日差しが ぽかぽか 温かくなってきたのに。 フユは 泣いています。 「どうしよう 何も できない」 テオもフユと 同じ気持ちでした。 ごめんね、フユ 涙を なめてあげたいのに なんだか 体が とっても重たいんだ... テオは まぶたを閉じました。
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