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その日、フユは
小さな小さな 仔猫を抱いて 帰ってきました。
テオは のどを鳴らして、フユを迎えます。
『にゃーん』... おかえり と
フユの足に、すりすりと まとわりつくと
フユは「ただいま、テオ」と
写真のテオに キスをしました。
仔猫と寝ている フユの枕元に座って
テオは、二人を見ました。
仔猫は女の子のようで、目元の模様が テオに似ています。
仔猫からは、フユの匂いと、鼻を くすぐるような
かわいい匂いがしました。
窓の外には、雨上がりの 虹が出ています。
フユが ふと目を覚まし、仔猫の おでこに
キスをしました。
『フユ』
テオは わかりました。
『もう、さみしくないんだね』
よかった、と
テオも 仔猫のおでこに キスしました。
そして、フユのおでこにも キスをすると
窓から外に出ました。
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