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1週間後、彼女から連絡があった。なぜか少しイラついた声の調子だった。
ちょっと約束が違うじゃない。2枚も足りないわよ。
(あなたはそう言うけれど、2枚違いなんてほとんど同じだろうと思ってしまった。あなたは異常に神経質だ。そもそもこちらも機械で数えたんだから、機械のほうで誤差が出ただけなんだから。)
あの。
ぼくは口に出かけた言葉を飲み込んだ。彼女のどんよりとしたため息が聞こえてきたからだ。
ごめん、ちょっと間違えちゃったね。
ぼくは素直に謝るのだけれど、あなたは許してくれないだろう。
だってお金がなくなっちゃったんだから、もらわなきゃしょうがないじゃない。
そう彼女はヒステリックに叫んだ。
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