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今日は、シェルターの外に出れるかな。
空気予報を観ると、どうやら今日は、空気中の化学物質やウイルス、病原菌の値も下がっていて、防護マスクがあれば外を散歩するくらいはいいでしょう、と言っている。
久しぶりに散歩でもしよう。ロボットにおつかいをたのむついでに。
ここらへんもちょっと前まで枯れ木が多かったのに、人間がいなくなるとこんなにもすぐに、ジャングルみたいになるんだな。それに遠くのほうで鹿の鳴き声が聞こえる。自然は偉大だ。
ああ、レイ、こんなところにいたんだ。ちょうどよかった。
ナンデショウカ、ハルカオジョウサマ。REI―002ニゴイライクダサイ。
REI―002はぼくが配給でもらったロボットだ。ぼくはレイにお願いする。
ねえ、レイ、あと2枚マスクが足りなかったみたいなの。2枚マスクを送ってちょうだい。
ぼくの言葉を聞いて、なぜかレイは慌てた様子だ。
ス、スミマセン、ハルカサマ、マスクノカズガチガイマシタカ。ワタクシノミスデゴザイマス。ナントオワビヲシタラヨイノデショウカ。
はは、レイは面白いな。人間よりも気づかってくれている。
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