クイーンパラドックス

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この意趣返しが功を奏したのかどうかは分からないけれどプロムクイーンにだってなれた。 プロムクイーンになれなかったのが私の最初に倒れたドミノだったと思っていたけれど、本当は違っていた。私の知らないところで本当は色んなことは起きていたのだ。私は自分でもっと考えて行動すれば良かったのだ。そして、ダイナーのテーブルを拭きながらずっと考えていたことの全てをやってのけた。あの時こうしていたら、ああしていたらを。今は子育てをしながらファッション業界で働いている。あの野暮ったい制服を着ていても私は20年ファッション雑誌は欠かさず読んでいたから何が流行るか誰が次にブレイクするのかは熟知していたから簡単に成功できた。 「ママ、もう時間でしょう?」 すっかり生意気な口をきくようになったティーンエイジャーの娘を乗せて私は自分のアストンマーティンのエンジンをかけた。
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