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「お願いがあるの。私今度の数学のテストで落第が確実なの。どうにか落第を避ける方法を教えてくれない?」
「いいけど」
シェイマスが待ち合わせようと言ったのがよりによって私が働いていたダイナーだったのは気に入らなかったけどそんなことは大して重要じゃなかった。私はあの数学のテストでどうしても落第するわけにはいかないのだ。
躍起になって勉強する私を尻目にシェイマスは例の不味いコーヒーを啜った。
「どういう風のふきまわしで君が勉強する気になったのか聞いても構わないかい?」
「私ね、この数学のテストで落第するとジャクソン・テイラーに振られるの。ジャクソンのことなんかどうだっていいんだけど今ジャクソンに振られるわけにはいかないのよ」
ジャクソンの名前が出てきた途端、シェイマスは明らかに不機嫌になった。それも仕方がないことだ。ジャクソンは筋肉代表。シェイマスは頭脳代表。お互い相容れない存在なのだ。
「なんだって数学とジャクソンが関係あるんだい?」
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