ジャスティテイカーの憂鬱

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 待つことしばし。その間に、俺の心には罪悪感が生まれ、重くのしかかっていた。  おばあさんを助けに行かなかったことについてだ。  確かにヤミノス団を調べるのも仕事だ。だが、人々の平和を護ってこその戦士だ。おばあさんからしてみれば、彼女の方が余程正義の味方だろう。選択を誤ったのでは。そんな気がしてならなかった。  だが、そんな気分をいつまでも抱えていられなかった。遊具のすぐそばを通る足音が聞こえたのだ。足音は、どうやらベンチに腰掛けたらしい。 「戻って来たか……」  慎重にそちらを覗いてみれば、確かにクレオライナが戻ってきて再び弁当を食べていた。  本当に小さなランチボックスだ。おにぎりを三つ入れたら満杯になるんじゃないのか?  それにあのソーセージは安物だ。野菜は食べているのだろうか。  その時だ。不意に、クレオライナが食べる手を止めた。
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