ジャスティテイカーの憂鬱

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 そう、今の俺には金が無い。  たまたま指輪を拾ったあの日まで、俺は真っ当に一人暮らしをしていた。裕福ではなかったが、バイト代でちゃんと暮らしていけていたのだ。  だが、正義の戦士になって俺の生活は一変した。  ヤミノス団の活動は昼夜を問わず、度重なる出動は俺の体力も精神も削った。さらに、バイトを抜けてヤミノス団との戦いに赴かねばならぬことも多々あり、結果としてバイトもあっさり首になった。 「すみません、俺、正義の戦士やってるんです!!」  そう言っても誰も聞き入れてくれなかった。 「うちは正義の味方が欲しいんじゃなくて、シフトの味方が欲しいのよ」  そう言われた時の虚しさ。
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