付録

1/13
79人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「仕事、入らねぇよな」 「多分な」 「なんだよ、朋樹」 教会裏の自宅リビングにて。 季節は 冬で御座います。 「これなんだけどさ... 」 「ぎゃあ! マジか?!」 「なんて事だ... 僕は、フランスでも ブランドとコラボした時も 行きそびれたんだ... 」 正月を迎え、公言日の翌日より また学校も始まり、三学期を過ごしております。 二月の事です。 「いつまで?」 「三月末」 「もうすぐじゃねぇかよ」 「いや。逃さねーだろ、これ」 兄様方は、いつに無く 何やら真剣な眼差しで相談しておられます。 私は、床に胡座をかき テーブルに積み重ねられておる漫画を読んでおる次第です。兄様方に勧められたものです。 「四郎。今、何部?」 「五部で御座います」 私の返答に「うん、いいペースだな」と頷かれた 泰河の隣で、朋樹が 「四郎さ、土曜 休みの週だったよな?」と 確認されました。 隔週土曜は、学校が休みなのですが... 「はい」と 答えますと、ルカに 「行く?」と 聞かれました。 果たして 何処へ? と 問う前に 「その原画展」と 私の手の漫画本を指され 「長崎なんだ」と 仰ったのです。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!