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「仕事、入らねぇよな」
「多分な」
「なんだよ、朋樹」
教会裏の自宅リビングにて。
季節は 冬で御座います。
「これなんだけどさ... 」
「ぎゃあ! マジか?!」
「なんて事だ... 僕は、フランスでも
ブランドとコラボした時も 行きそびれたんだ... 」
正月を迎え、公言日の翌日より
また学校も始まり、三学期を過ごしております。
二月の事です。
「いつまで?」
「三月末」
「もうすぐじゃねぇかよ」
「いや。逃さねーだろ、これ」
兄様方は、いつに無く
何やら真剣な眼差しで相談しておられます。
私は、床に胡座をかき
テーブルに積み重ねられておる漫画を読んでおる次第です。兄様方に勧められたものです。
「四郎。今、何部?」
「五部で御座います」
私の返答に「うん、いいペースだな」と頷かれた
泰河の隣で、朋樹が
「四郎さ、土曜 休みの週だったよな?」と
確認されました。
隔週土曜は、学校が休みなのですが...
「はい」と 答えますと、ルカに
「行く?」と 聞かれました。
果たして 何処へ? と 問う前に
「その原画展」と 私の手の漫画本を指され
「長崎なんだ」と 仰ったのです。
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