「物語の夢から覚めない夢」

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「物語の夢から覚めない夢」

長いこと長いこと 私を束縛しつづけた はじまりの カタチになれなかった物語が さっき一応の“カタチ”となって 書き手の私は 楽しみながら苦しみ 早く終わりたいのに まだ終わりたくはなくて それでも何とか 見えない着地点の ボヤッとした真ん中 降りたって 思わず ぷはぁ と息をして それはまるで遠泳したあとの プールから上がったばかりの疲労感 それにも似ていて とにかく何か苦しくて 超気持ちよくて スッキリ 余韻をもっと楽しみたい 楽しめると思っていたはずなのに あれだけ書けなかった地図は 元々書きたい場所の他に ここ2~3日で 他に2つ 合計3つも溢れてきて それでいて一晩寝ても 消えないものだから 私は諦めて ストーリーだけ と 専用の手書きノートに起こして 書くだけ書いたら投げ捨てた 何だよ…これ ジャンルもそれぞれ違って それぞれ何か面白そうじゃん 物語の夢から覚めない夢に 私はひとり 思わず苦笑しながら ワクワクしていた
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