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*プロローグ*
カーン!カーン!……コツン!
カーン!カーン!……コツン!
命綱無しで、足場を組み立て、夜空に近い場所へと登るウチの足音が、静寂の暗闇に響く。
20階の高さまで、組み立てた足場。
そこに座り、夜空を見上げれば、満天の星。
「ごめんな」
小さく呟いた言葉は、星に届く事なく、静寂の暗闇に吸い込まれた。
後、何回、謝罪の言葉を口にしたら、荒れた心を鎮める事が出来るのか?
32歳になった今でも、大人になりきれないウチは、気づかずにいたんや。
真実を……
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