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3
「はなしてください……テディ、いじわる。きらいです」
こう言いながら、網に掛かった小鳥のように身悶えもがくリルの瞳を、テディが覗き込んだ。
「嫌い? 嘘だ。君はこれを嫌いなんかじゃない」
「うそじゃないです」
ふたたび、くちびるを塞ごうとするテディを、リルは突き飛ばすようにして押しのけた。
そしてドレスの襟元を乱したまま、壁に穿たれただけの戸のない出口へと駆け出す。
「雨がひどい、リル。まだ出て行けはしない」
テディが、リルの細い顎へと指を伸ばして振り向かせた。
ふたたび、夫を責める言葉を口にしようと、リルのくちびるが小さく戦慄いた刹那、テディが、それをキスで押しとどめた。
やわらかく繊細で、くすぐるようなくちづけに、リルの身体からは、すべての力がくったりと抜けてしまう。
そんな妻を、しかと抱き留めると、テディはまた、リルをさっきの卓の上へと載せ、ぞんざいなほど大胆に、リルのドレスの裾を捲り上げた。
「ねえ、君。こんなことは『はしたない』と思っているんだろう?」
囁くテディの熱い息が、リルの耳朶を燃やす。
「『はしたない君』が見たいんだよ、可愛い奥さん。俺だけにはそれを見せて、いいかい?」
テディの長い指が、リルの秘所へと入り込む。
その部分は、先からのキスと愛撫で潤み熱を帯びていて、リルの意思とは無関係に、テディの指先の動きに反応した。
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