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白い花
取り敢えず花を机に置き、時間割を終わらせた。
どうせ悪戯だろうな。何となくノリで友達が入れて、忘れたのだろう。
そのまま、その花をごみ箱に投げ入れた。
「ただいまー」
しばらくして、母が帰って来た。
特に返事をすることはない。
今から母が夕食を作るので、俺はいつものようにその間にお風呂に入る。
お風呂から上がると、すでに妹と父が帰宅し、食卓を囲んでいた。
「頂きます」
俺もいつもの席に着き、食卓を囲んだ。
「美紀(みき)、もう部活には慣れたのか? 毎日バレー漬けに戻れてよかったな」
「んー。 しんどいけど、結構楽しいよ」
父と妹の会話が飛び交う。
美紀は、小学校からバレーを続けていたが、中学3年生夏の大会の後は、受験のため半年間勉強漬けだった。
「大紀、バイトはまだ続けるのか」
父がご飯を食べながら、今度は俺に聞いてきた。
「まぁ、もう直ぐ辞めるよ」
「早めに辞めないと、受験に支障出るからね」
今度は、母が口を出した。
「分かってる、分かってる」
俺も辞めたいけど、なんか店長に言い辛いので、ずるずる飲食店のアルバイトを続けてしまっている。そういうふうに自分に言い聞かせている、の方が正しいかもな。
「ごちそうさまー」
いつも一番に食べ終わるのは美紀だ。
そのまま美紀は、自分の部屋のある2階に上がっていった。
「ごちそうさまー」
しばらくして、俺も2階に上がり、自分の部屋に戻った。
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