アルコールとか、その他もろもろ

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アルコールとか、その他もろもろ

 アルコールが殺菌、消毒をするというのは恐らく周知の事実だと思います。西部映画でも強めのお酒を吹き掛けて傷口を消毒する、みたいなシーンがあった気がします。あれは確かガンマンがエイリアンと戦う話だったか……西部劇とは…。考えるのは止しましょう。  さて、お酒の話が出たのでちらりと触れておきますが、お酒を飲んだところで体内の菌を殺せるとかそんなことはありません。肝臓に負担がかかるだけです。  アルコールは有機溶剤。生物である細菌を殺菌するのだから、勿論生物体である人体にも毒ですね。  因みにお酒に強いとか弱いとかは遺伝子で決まっているのはご存知でしょうか。お酒に強いというのはアルコールが分解された後に出る毒物のアセトアルデヒドを、更に分解出来ることを指すのですが、これは劣性遺伝です。要は両親の片方でも弱ければ、その子どもは弱くなるということ。隔世遺伝もあるので絶対にそうだとは言えませんが。  なのでアセトアルデヒドが分解できない人は顔が赤くなり、お酒に飲まれてしまうのです。鍛えれば強くなる、何てこともありません。分解は出来ないものは出来ないので。強くなった気がしている方はそれは、ただ麻痺しているだけです。  ……なんの話だったか。あ、アルコール消毒でした。  最近は薬局でもアルコールが手に入らなくなっています。みんな、アルコールの消毒効果を知っているからでしょう。また、消毒出来るものとして次亜塩素酸ナトリウム系のものも消えています。  皆さん消毒に飢えているのですね。  そして最近注目を集めているのがPHMB。あるいはアルコールの含まれた製品等々。  PHMBはポリヘキサメチレンビグアナイドの略称です。何だか良く分からない名前ですが、これはコンタクトレンズの消毒・保存液に含まれているものです。私も今回の騒動で初めて知ったのですが。  これに関してはあまり論文が探せて─見当たらないのですが、一つ見つけたのは手術部位感染(SSI)に対しての消毒効果を観察したもの。東京医療保健大学大学院の海外カンファレンスレポートに記述がありました。  ヨードチンキと同等の殺菌原理のポビドンヨード、前にも触れたイソジンのあれですが、そのポビドンヨードと効果を比べていました。少量のPHMBとそれの250倍の濃度のポビドンヨードで、PHMBの方が4倍ほどSSI発生率が抑えられたということでした。  すごいですね。これが本当なら消毒液としては素晴らしいものということになります。しかし、ここで注意しないといけないのは、まだ論文が一つしか見つかっていないこと、それからウイルスに対しての所見が書かれていないことです。  PHMBはスゴいんだっ!となるのではなく、冷静に且つ確実に、これに自分が欲しい能力があるのかを見極めることが大切です。  その良い例が商品名「パストリーゼ」です。ドーバー洋酒貿易株式会社が販売を手掛けるこの商品には、最も消毒効果の高いとされる77%アルコールが使用されています。殺菌・消毒能力は折り紙付き。更にカテキンまで入っている。これはコロナ対策に有効では?  そういう趣旨の質問を母から受けました。  確かに今回のコロナウイルスには有効です。とはいえ、お値段が高い。何故か。それは高純度カテキンと純水を使用しているからです。ホームページに書いてあります。これらを生成し添加するから値が張るのだと私は判断しました。  カテキンはご存知でしょうが、抗酸化物質、ポリフェノールの一種、だったかな。カテキンには更に制菌作用があります。  ホームページに記載がありますが、「パストリーゼ」の本来の使い方は食品にかけること。食品にかけてアルコールで殺菌し、アルコールが揮発してもカテキンで制菌する二段構え。これで例えばお弁当などの食品の保存時間を伸ばすことが目的です。  なので、コロナ対策としても使えなくもないですが、コスパを考慮すると普通のアルコールで十分ということになるんですね。  日々新たな消毒液が発掘されています。最近は業務用のものまで品薄となっています。家庭の消毒液が無くなっていく中、目ぼしいものを見つけた際は、今回のように判断すると良いと思います。
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