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「お待たせしました」
黄色い法被を着た五十がらみの男性が姿を表した。
頭髪も疎らに汗でテカる頭を首に巻いたタオルで拭い此方に挨拶をする。
「あのぉ、この辺りに珍しいお家が無いか探しているんですが…」
俺はあくまで低姿勢を貫く。
どうか穏便に事を進めたい魂胆だった。
実を言うと既に目星はつけている。
3日前に、人工衛星をハッキングして航空写真を撮影する事に成功した。
画像によればこの辺りの山間部に、
崖に佇む一軒家がガツンと建っているのだ。
俺は難なくその場にたどり着きたい。
より確実なのは地元民の信頼を勝ち取り道案内を取り付ける事なのだ。
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