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「ああ、それでしたらほら。
あちらの人に訊いたら早いですよ」
案内人は防犯設備皆無の野菜の自動販売機の方角を指差した。
何しに来たんだおっさん!!
俺はここに来て、たらい回しにされた事実に愕然としつつも怒りを堪えてお辞儀をし
温泉饅頭を手土産に野菜の自販機へと歩く。
ふと見ると、軽トラックが停めてある。
座席は前部の運転席と助手席のみで、後ろが剥き出しの荷台になっているタイプだ。
「あのう…」
「はい、何か??」
男だ。
毛皮の防寒帽を頭に被り、
アロハシャツに短パン姿の暑いんだか寒いのだかよく解らない出で立ちをした四十代の生気の薄い無精髭の男がトラックに寝ていた。
「家ついて行っていいですか??」
「…図々しいなあんた」
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